住宅ローンの種類

住宅ローンといえば、かつては住宅金融公庫が提供する公庫融資が主流でした。しかし、2007年4月に住宅金融公庫から住宅金融支援機構(独立行政法人)に移行し、住宅ローンの融資窓口は民間金融機関が中心になりました。
新規の公庫融資がなくなったとは言え、住宅金融支援機構が民間金融機関と共同して提供する住宅ローン「フラット35」は最長35年の固定金利で融資されるので現在でも住宅ローンの主流です。一方、力のある民間金融機関は自前の住宅ローンを強化し顧客獲得に有利な条件を提示しています。
また、会社員には従来通り「財形住宅融資制度」が存続されましたので、比較的有利な住宅ローンを利用できます。

住宅ローンの種類一覧
名称実施窓口対象金利
フラット35住宅金融
支援機構
民間金融機関固定金利
財形住宅住宅金融
支援機構
事業主会社員5年
固定金利
民間 住宅ローン民間
金融機関
民間金融機関固定/変動

フラット35とは

住宅金融支援機構~フラット35~

住宅金融支援機構HP

住宅ローンを低金利で提供していた住宅金融公庫は、行政の簡素化や民業圧迫などの圧力を受けて2007年4月に住宅金融公庫から住宅金融支援機構(独立行政法人)に移行しました。
住宅金融公庫が提供してた公庫融資は2006年頃から徐々に金利を引き上げ、住宅購入者が民間金融機関が提供する住宅ローンを利用するよう誘導していました。
2007年4月に住宅金融公庫による直接融資制度が廃止され、住宅金融支援機構が民間金融機関の住宅ローン債権を買い取る形で提供していた「フラット35」もさらに利用しやすいように改定されました。

フラット35は徐々に金利が高くなっていた公庫融資よりも金利面でも見劣りせず、その他にも多くのメリットを提供しています。フラット35には次のような特徴があります。

フラット35の特徴

  • 最長35年固定金利
  • 保証金不要
  • 繰り上げ返済手数料無料
  • 建設費・購入価格の最高9割まで融資可能
  • 一戸建て:70m2以上,上限無し
  • マンション:30m2以上,上限無し

公庫融資では当初10年間は金利を低く設定し、11年目以降は金利が上がる仕組みでした。フラット35では融資期間固定金利となり、より将来の経済設計がしやすくなりました。
また、融資される住宅の広さの上限枠が撤廃され、大きな住宅でも利用できるなど融資条件が緩和されました。

財形住宅融資制度

財形住宅融資で家を立てる住宅金融公庫が住宅金融支援機構に移行し、住宅金融支援機構が直接一般顧客に融資を行うことは無くなりましたが、財形住宅融資制度は残されています。
財形住宅融資制度とは、会社員など「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」などの天引き型積立貯蓄を行っている人を対象にマイホーム取得資金を融資する制度です。
財形住宅融資制度の概要を紹介します

財形住宅融資 概要
金利5年固定金利
5年ごとに見直し
他の住宅ローンとの併用フラット35や民間金融機関の
住宅ローンと併用可能
利用可能者一般財形貯蓄、財形年金、財形住宅貯蓄の
いずれかを1年以上続け、
残高が50万円以上ある人
融資額一般財形貯蓄、財形年金、財形住宅貯蓄の
合計残高の10倍まで、最高4000万円
返済期間10年~35年

財形住宅融資はマイホーム取得用住宅ローンとしてだけでなく、リフォーム費用融資にも利用できます。また、フラット35や民間金融機関住宅ローンとの併用が可能で合算すると取得費用の100%まで融資可能です。

民間金融機関の住宅ローン

楽しい我が家

民間金融機関も住宅ローンを多数発売しています。2007年4月に住宅金融公庫が住宅金融支援機構に移行し、実質的にこれまでの公庫融資がフラット35に変更され、民間金融機関を利用するユーザーが格段に増加したことも影響しているでしょう。
同じフラット35でも金融機関によって金利などの商品設計は違います。各金融機関が自前で用意している住宅ローンの方がフラット35よりも低金利の場合もあります。各社の条件を比較してあなたの目的にあった住宅ローンを選択しましょう。

金融機関別住宅ローン

銀行の住宅ローン
都市銀行や信託銀行、地方銀行などが自前で提供する住宅ローンは変動金利が主力ですが、中には長期の固定金利型住宅ローンを提供する銀行もあります。銀行は各種キャンペーンを実施していることが多く、キャンペーン条件に合致するとフラット35並みの低金利で借りられることがあります。
モーゲージバンクの住宅ローン
モーゲージバンクと呼ばれる主に住宅ローンの貸し出しを専業にする融資会社があります。貸し出す資金を都合するため投資家に証券化した債権を売っています。銀行や信託銀行などとは違った新しい金融機関として注目されています。
一般にモーゲージバンク系は住宅ローンとしてフラット35を提供していることが多いです。モーゲージバンク系が提供するフラット35は銀行系よりも低金利の場合が多く、融資手数料も低く設定されていることが多いです。

銀行系にしろ、モーゲージバンク系にしろ住宅ローンには、提携ローンと言われる住宅販売会社や不動産会社、ハウスメーカーと提携した住宅ローンがあります。
自分が住宅ローンを利用したい銀行があっても、提携ローンの方が条件がいいことや、利用しようと思っていたモーゲージバンクが提携ローンしか扱っていないこともあります。
これに対し、借り手が自由に住宅ローンを選択できる「独立型」住宅ローンがあります。独立型住宅ローンなら窓口や融資対象は限定されないので、自分の条件に合わせて多用な商品から選択できます。

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